日本が世界に誇る自由なヒーロー“フーテンの寅さん”。本品は、世代を超えて愛される寅さんの物語全48作+特別編を収録した、ファン必携の愛蔵版コレクションだ。BOXものの特性を活かし、寅さんの世界をしみじみ味わうためのさまざまな特典が用意されており、寅さん愛用のトランクをかたどった専用ケースのほか、写真集や寅さん腹巻(!)など、気の利いた試みが楽しい。もちろん本編も見ごたえたっぷりで、記念すべき第一作『男はつらいよ』から、最終作『寅次郎ハイビスカスの花 特別編』まで、飄々として侠気あふれる寅さん(渥美清)の活躍を存分に楽しむことができる。時代を彩るとりどりのマドンナたち――光本幸子から吉永小百合、いしだあゆみ、後藤久美子、浅丘ルリ子ら――の、いずれ劣らぬ可憐さの競演も必見。(みき〜る)
世界にチャップリンあり、日本に寅さんあり。
自らを「世界市民」と標榜したチャップリンが、その名の通り国境や言葉を越える笑いを産み出したのに対して、その国に生まれ育ったからこそ理解できる、その国ならではの笑いがあると思う。 『男はつらいよ』シリーズとは、まさに日本のそれである。この笑いの感覚は、おそらく日本人でなければ心の底から理解することはできまい。 また、笑いが悲哀から生まれるものであるなら、その悲哀についても同様のことが言える。悲しくて哀しくて、泣きながら笑う。そんな日本人に特有の可笑しみが、この作品には詰まっている。 最後に、陳腐な表現にはなるが、どうしても言いたい。 寅さんよ、永遠に。
大げさに言えば、この映画は人生を語っている
テレビドラマ「男はつらいよ」の焼き直しで、単発の企画物であったこの映画、制作当初、山田監督はシリーズ化することになるとは少しも思っていなかったという。 第1作は、やたらに寅の乱闘シーンが多い。まさにヤクザな寅の面目躍如である。明鏡止水の境地にたどり着いた(?)48作目の寅とぜひ見比べてほしい。この長大なシリーズは、人間の枯れ方まで見せてくれるのである。 渥美清をはじめ、出演者の幾人かが残念ながら亡くなり、舞台となった土地も大きく様変わりしている。この映画を見たら葛飾柴又に足を運んでほしい。帝釈天と江戸川の土手、映画と変わらない風情が、失われた日本の風景の記憶を呼び起こしてくれるだろう。
松竹ホームビデオ
|